[2813] 欧州モバイル事情 投稿者: 投稿日:2002-10-23 (Wed)
●追加情報アリ

●by 機長

<Sumsung、今度はSymbianも!>

■Samsungが「Symbian OS」採用(ZDNN)

「携帯端末用OSの提供会社である英Symbianは10月21日、世界第3位の携帯電話メーカーSamsung Electronicsが、2.5G/3Gスマートフォンに「Symbian OS」を採用するため同社とライセンス契約を結んだと発表した。Symbianはこれで、携帯電話の世界5大メーカーすべてをライセンシーに抱えたことになる。ただしこれら契約は独占的なものではない」

 記事を読むとこれ、どうやら「英国では、Microsoftの「Smartphone 2002」を採用した初のスマートフォンが携帯キャリアのOrangeから22日に発売される。SymbianとSamsungの発表は、これを目前に控えてのこと」という状況での、欧州市場のSymbian勢力の意図から生まれた提携のようだ。

 私の記憶が確かならば、これでSumsung社は、PalmOS、WindowsCE、Symbianという世界のスマートフォン3大OSのすべてを手中に収めているはずだ。それらを世界的な地域によって使い分けるという非常に便利なポジションにあるとも言える。

参照●Samsung licenses Symbian OS for smartphones(Symbian)

■7650 propels Nokia far past Palm, HP in EMEA - Handheld market also bounces back in good news quarter(canalys.com)

 上記ZDの記事で引用されていたcanalys社の調査結果によると、EMEA(欧州・中東・アフリカ)市場の最新四半期(7-9月期)のモバイル機器の市場シェアは以下の通り…

【EMEA(欧州・中東・アフリカ)市場のモバイル機器の出荷台数】
〜2002年度第3四半期と前年同期の比較〜

Nokia   665,940(57%)   157,840(27%)   +322%
Palm   172,440(15%)   129,515(22%)   +33%
HP    107,730(9%)    103,005(18%)   +5%
Sony    38,300(3%)     4,735(1%)    +709%
Casio    33,120(3%)    62,470(11%)   −47%
その他   148,500(13%)   121,035(21%)   +23%

合計   1,166,030(100%)  578,600(100%)   +102%


 EMEA市場というのは、ずいぶんと米国市場や日本市場と違っていることに驚く。もっとも、このデータには携帯電話が含まれているせい(このデータには、高機能携帯電話、スマートフォン、ハンドヘルド、通信携帯端末が含まれている)が大きいのだが、ここでは昨年同期から322%も出荷台数を増やしたNOKIA社の圧勝となっている。そのシェア57%!だが、だとすると携帯電話まで含めて昨年同期にはPalm社が22%もシェアを占めていたのか?ちょとその数字は疑問でもあるが、そのPalm社は33%増に終わり、トップNokia社との差は開きながらも2位の座は守っている。ま、このあたりはスマートフォン(というか、ほとんどNokia社の圧勝のはず!)が圧倒的に売れている欧州事情の反映だと思う。米国や日本市場ではちょっと馴染みづらいデータ集計ではある。一方、そんな中、前年同期のシェア1%から3%に増やしたSONY社の勢いは凄まじい!何と言っても前年同期から709%の増加を示している!

 ← 欧州モバイル戦線で圧勝のNokia社の携帯電話



<米国市場のワイヤレスウェブサービス>

■スプリント、月10ドルの無制限ワイヤレスウェブサービスを提供(CNET)

「米スプリントPCSは、ワイヤレスウェブ・プランへの加入者を増やすために、格安のサービス料金を設定した。 スプリントPCSは18日(米国時間)、携帯電話サービスへの加入者が月額10ドルを追加すれば時間無制限でウェブ閲覧ができるサービスを、一部の会員に提供すると発表した。 ワイヤレスウェブ・サービス事業者はこのところ、顧客を増やすための努力を強化しており、スプリントPCSの動きもその一例だ。しかし、ワイヤレスウェブ・サービスの人気はあまり高まっていない」

 米国市場では、まだまだワイヤレスウェブ・サービスは苦戦しているらしい。そういう意味では、日本や欧州市場の常識からすると、「今さら」の感さえあるHandspring社の「Treo戦略」だが、米国市場ではまだまだこれからと言った、十分に可能性のある分野への挑戦であるとも言えるかも。

 ← Sprint社からリリースされているTreo 300



●BBSより 【mskahn記者@mskahn@mobile

<シンプリーパームの監修者、誤リンク>

公式ページを見ると、監修者サイトがPalmfanになってますねぇ。

いずれにしても、目次を読むだけで早く読みたくなってきます。

●by 機長

 これには機長も腰を抜かしたので、修正をお願いし、すでに削除済み。ところで、「Simply Palm Fan」のページは、着々と新情報を更新中!必見!

参照●シンプリー・パーム(ソフトバンク出版)
  ●連日更新中!Simply Palm Fan(パルマガ)



【追加情報】

●by 機長

<Microsoftの大ヤケド>

■まだやるの? ペン入力(IT Pro)

「こうして考えていくと,タブレットPCの魅力がいっこうに見えてこない。メモをとるだけなら,紙のほうがよっぽど速い。大量の入力にはもちろんキーボードだ。タブレットPCは普通のノートとして使えるといっても,たまにしか使わないペン入力機能のために,10万円のエクストラを払うユーザーがそれほどいるとは考えにくい」

 かねてよりTabletPCは売れないよと言い続けてきた機長としては、ホラネっという感じの記事だ。クリクラ!で見つけた。

 使用体勢から考えて「ペン入力」に必然性のある手のひらサイズのハンドヘルドですら、人によってはキーボードの方が楽だったりするのだ。そこに持ってきてMicrosoft社は何ゆえ、TabletPCに傾倒するのか?

 もちろん、その需要がゼロだとまでは言わない。だが、全世界の主要パソコンメーカーに無理矢理作らせるほどの価値が果たしてあるのだろうか?機長ははなはだ疑問だ。

 自由!…もしくは、Microsoftの勝手でしょ?…というのが本筋でもあるが、機長は正直、同社が様々な経済的な戦略によって勝ち取った「シェアの独占」を武器に同社のソフトウェアの値段を次々と意味もないバージョンアップで釣り上げていることにムカついている。言い方を変えれば、同社の無駄な投資のために、こちらまで無駄な投資をしているということになる。風が吹けば桶屋が儲かるの理屈じゃないが、風が止まれば桶屋まで無駄な出費を強いられてしまうのは御免だ、と思う。

 先週のWorld PC EXPOでTabletの試作品を触ってきた友人が語っていた。

「熱くて触れないぐらいに、熱い!」

 上記の記事中にも以下の記述がある。

「試用したタブレットPC(台湾Acer製)はかなり熱くなる。文字認識用に高速プロセサを要求するタブレットPCは,通常のノートよりも発熱量が多い。ペン入力には片手でタブレットPCを抱える格好になるが,手のひらが熱かった。これでは10分以上持ち続けるのはツライ」

 是非とも売れなくなったTabletPCは、ネット接続機能つきのホットプレートとして発売してもらいたいと思う。最近、Microsoft社の無謀にキレはじめた互換機メーカーの中には、同社二番目のキラーソフトとも言うべき「Microsoft Office」パッケージの標準搭載を諦めて別のメーカーに乗り換えるケースが増えている。むべなるかな。Microsoft社という会社は、あらゆる手を使って各種ジャンルにおいて「独占」というカードを保持するという、戦略手腕的に素晴らしい企業だとは思うが、最近の魔法の剥げ方には同情さえする。でも、何とかして欲しいぞ、ソフトウェアの値段!

 ← パソコン機能もついたホットプレート!