[2359] 海パン履いて工事現場に行こう! 投稿者: 投稿日:2002-07-17 (Wed)
●by 機長

<海パン履いて憤怒の河を渉れ>

 機長は、いわゆる「陰謀説」なるものに興味はないのだが、パルマガでも何度か紹介してきた検察内部の不正を告発した元公安部長が突然逮捕された事件、「三井環事件」には、とにかく謎が多い。そんな三井環事件の続報は、かなり謎に満ちた内容だ。

■検察内部告発の元事務官、海パンで逮捕(日刊スポーツ)

「奈良県警奈良西署は16日、工事現場に侵入したとして、建造物侵入の現行犯で元奈良地検事務官大田原昌嗣容疑者(36)を逮捕した。同容疑者はテレビや雑誌などで検察内部の裏金疑惑を実名で告発していた。逮捕時は海水パンツにはだしという異様な姿。同容疑者は「散歩していただけ」などと供述しているが、海パン姿の理由は不明。現場近くでは最近、盗難事件が続発していた」

 この記事を読んですぐに意味が理解できる人間が何人いるだろう?実は機長もさっぱり訳がわからない。とにかく、最初の告発者である三井環元公安部長が暴力団員からの被害届によって逮捕されたのに続いて、今度は第二の告発者が工事現場で海パン姿で逮捕された。…とっても複雑な気持ちだ。

 ところで、この日刊スポーツの記事は、事実を出来るだけ具体的にしようと警察による発表と独自取材として母親のコメントなどをバランスよく(?)紹介している。でも、よくわからない。この、よくわからないという感じをこの記事は表現したかったのでは?というぐらいにわかりづらい内容だ。う〜ん、機長はいわゆる「陰謀説」とかは嫌いなのだけれど…。

 ちなみに、ネット記事ではわからないが、新聞版の方では、両脇を制服警察官に抑えられた海パン姿の中年男の面白おかしいイラストに重なって「口封じ?奇妙キテレツ事件」というサブタイトルが踊っている。記事中には「大田原容疑者も検察側に「マーク」されていた可能性もあるが、同署は今回の逮捕について「(検察と)関係はない」と否定した」」というコメントも…。記者なりに、なんとかこの事件に満ちた不可思議さと困惑とを、何とか表現しようとしているのだろうか?

 さて、同じ記事が一般紙ではどのように扱われているかというと…

■検察の内幕告発した元事務官を建造物侵入容疑で逮捕(asahi.com)

「勝手に工事現場の敷地に入ったとして奈良西署は16日、元奈良地検事務官大田原昌嗣容疑者(36)=奈良市二名4丁目=を建造物侵入の疑いで現行犯逮捕した。大田原容疑者は「散歩をしていただけ」と供述しているという。大田原容疑者は今春、実名で週刊誌数誌に検察の公金不正流用疑惑を告発していた」

 日刊スポーツと同系列の朝日新聞系asahi.comでは、いっさい海パンのことには触れていない。元奈良地検事務官が建造物侵入の疑いで現行犯逮捕されたという事実だけが冷静に述べられている。こうも冷静に書かれてしまうと、薄ら寒くなってしまう。

 Yomiuri OnlineMainichi InteractiveSankei WebNIKKEI NETでは探し方が悪かったのか、過去記事のページに流れてしまったのか、はたまた、まだ記事になっていないのか、同事件に関する記事を見つけることが出来なかった。そこで、YAHOO!JAPAN NEWSのニュース検索で調べてみたところ、以下の2記事だけ見つかった。(ここには讀売新聞や毎日新聞の記事も集まっているはずなのだが、何故か見つからなかった)

■<奈良>内部告発の元検察事務官を建造物侵入で逮捕(朝日放送)

「地検内部のカラ出張などを告発していた奈良地検の元事務官が、奈良市内の工事現場に侵入したとして建造物侵入の疑いできょう未明、現行犯逮捕されました。」

「これに対して法務省は事実無根と批判し、告発者を情緒不安定などと書いた文書を各検察庁内に回覧しました。大田原容疑者は、この文書は人権人格を著しく侵害するものだとして法務大臣や検事総長に謝罪と文書の撤回を求め、奈良弁護士会に人権侵害救済の申立てを行っていました」


 今度もまた朝日新聞系列の大阪のテレビ局の記事。この記事によると、今回の海パン事件で「元事務官は情緒不安定である」という法務省の意見は見事証明されたことになる。

■地検元事務官を建造物侵入で逮捕=奈良(時事通信)

「奈良県警奈良西署は16日、自宅近所の宅地造成現場に無断で侵入したとして、奈良市ニ名、奈良地検元事務官大田原昌嗣容疑者(36)を建造物侵入の現行犯で逮捕した。大田原容疑者は「散歩をしていただけ」と話しているという。」

 時事通信電だけあってこれが全文だ。今回の不可思議なニュースに関して、メディアは詳しく書くべきなのか、それとも簡単にさらりと紹介すべきなのか、それとも紹介そのものをしない方がいいのか?…は、なかなか難しいところだ。少なくとも、検察庁を告発した元事務官はこの日から「海パン男」になった。それだけは事実だ。

 ところで、今回の事件のスタート地点とも言うべき三井環事件を、日本で唯一ちゃんと紹介してきたメディアは、やっぱり朝日新聞系テレビ朝日の番組「ザ・スクープ」だった。

参照●4月27日放送  ザ・スクープにテレビ告発直前、電撃逮捕!公安部長が語っていた「検察のウラ金」の全貌(ザ・スクープ)
  ●6月1日放送 徹底追及!「検察の裏金」疑惑第2弾(ザ・スクープ)

 上のリンクを調べようと、さっきそのページを開いてみたら、「番組からの急告」というタイトルのこんなメッセージが!(別ウィンドウで表示されるメッセージのため、ブラウザによっては読めないかも…)

「視聴者の皆さんとホームページをご覧になっている皆さんに、大変残念なお知らせがあります。 9月一杯をもって、「ザ・スクープ」は13年の幕を閉じることが正式に決定しました。スタッフ、出演者ともども断腸の思いです。」

 つい先日はPalmOSコミュニティにもなじみ深い「追跡!ネットオークションの闇〜盗品売買の実態と暗躍する国際窃盗団〜」を放送したばかりのこの番組が終わるのはとっても残念だ。「番組からの急告」と名付けられたメッセージには、とくに赤文字で書かれたこんな一節がある。

「戦闘集団「ザ・スクープ」は、最後の10回、カウントダウンスペシャル「権力への挑戦」と題して、よりパワーアップした検証ドキュメンタリーをお送りする予定です。どうしても番組として「おとしまえ」をつけなければならない課題もいくつかあります。 10人のディレクターが、最もこだわってきたテーマで各々の決着戦を行い、派手に最後っ屁をぶっぱなす予定です。最後まで前を向いて、闘い続けて散っていきたいと・・・残すところあとわずかですが、今後の「ザ・スクープ」に是非ご期待下さい!最後までご声援のほど、どうかよろしくお願いします!」

 無念が忍ばれる…。

 正直だんだん怖くなってきた。なぜだろう?そう言えば昔、健さん主演で「君よ憤怒の河を渉れ」なんていう映画もあったな〜とか、懐かしく思い出す。ココとかココとか。

 あ、そうそう、もしも今後、どこかの工事現場で、機長が頭に王冠をのせてネグリジェ姿で歩いているところを逮捕されることがあったら、あ、アイツって変態だったんだなと思ってもらうしかない。否定したくても…出来ないから、たぶん。

※ところで、機長は今回の事件を必ずしも検察庁による「陰謀」であるとは思っていない。国家の威信に関わる告発をしていた元事務官は当然、公安当局にマークされてしかるべきだし、そうでなくて何の公安かと思うからだ。それはプロフェッショナルとして当然のことだ。つまり、元事務官が犯罪を常習していたなら、公安当局はそれらを当然のごとく察知しているべきだし、また、元事務官が水着姿で夜道を歩きだしたなら、その一部始終をチェックしていなければ節穴だ。だから、今回の一件については、公安としては自らの、つまり国家のために有利と思われる行動を行っただけかもしれないのだ。たまたま犯罪を目撃したから逮捕したにすぎない可能性だって十分にあるのだ。(もちろんそれ以外の可能性も否定しづらいが…)それに、今回の一件、「陰謀」にしては稚拙すぎる。三井環事件の時も思ったが、やるならやるでちゃんとやれ!ちゃんとやらないなら税金返せ!と機長は言いたい。



<続・Enthu的>

■大人向けおもちゃ開発にメーカー必死(Yomiuri On-Line)

「玩具(がんぐ)メーカーが大人向けの新商品を相次いで投入している。出生率の低下や子供人口の減少などによって、おもちゃ市場が縮小するとの危機感から、大人を狙った商品で新たな需要を目指しているためだ」

 記事タイトルに一瞬ギクッとしたが、ま、そーゆーことだ。小難しいニュースばかりでもなんなので、こんなニュースも載せてみた。意味ないか…。



<されどPDA、たかがPDA>

■ブルートゥース搭載Pocket PC『Pocket LOOX』販売開始 (CNET)

「富士通は16日、ブルートゥース機能を内蔵した携帯情報端末(PDA)『Pocket LOOX』の販売を8月2日に開始すると発表した。3月に発表したもので、当初の予定から約4ヵ月遅れとなる。同社は「社内で慎重に検討を重ねた結果、この時期の発売になった」としている」

 おい、モバイル情報はねえのかよ?!というあなたのために。

 ← 6万4800円のPocket LOOX

 いわゆる流行りのBluetooth内蔵PocketPCマシンだ。13×7.7×1.3cm(175g)という筐体サイズもかなり頑張っている。厚みはCLIEのTシリーズと同じだが、サイズ的に縦幅で1cm、横幅で0.5cm大きい程度(重さは37g増だけど)だから、まあまあイイ感じでは?でも、「6万4800円」という予想小売価格はどうだろう?ちょっと高すぎるように思う。内容に見合うかどうかじゃなく、買う人間がかなり限られそう。PDAは贅沢品というイメージをつけることは、メーカー単体の収益以外にどんなメリットがあるのか、機長にははなはだ疑問だ。とは言え、値段という意味では、コイツよりはまし。

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