[1805] ヤブノナカ。 投稿者: 投稿日:2002-04-22 (Mon)
by 機長

 時系列的には、まずこのニュースが出た。

■大阪高検公安部長を逮捕 詐欺などの容疑 大阪地検(asahi.com)

「大阪地検特捜部は22日、現職検事で大阪高検公安部長の三井環(たまき)容疑者(57)を、マンション売買にかかわる登録免許税をめぐる詐欺や公務員職権乱用などの疑いで逮捕し、兵庫県西宮市の自宅などを捜索した。法務・検察当局は、逮捕に先立って三井容疑者の部長職をといた。また、共犯として暴力団組員2人を逮捕した。検察幹部の刑事事件での逮捕は、戦後の検察史上でも異例だ」

 このニュースが出たのが、22日の13時36分のことだった。それからおよそ一時間ほどたった同14時53分、同じasahi.comにこんな記事が出た。

■検察庁の裏金づくり、公表を準備中 逮捕の三井検事(asahi.com)

「詐欺などの疑いで22日逮捕された三井環・大阪高検公安部長は、「調査活動費」を使った法務・検察の裏金づくりがあったと主張して、近く公表する準備を進めていた。この裏金疑惑をめぐっては、調査活動費の一部を高級料亭の遊興費やゴルフ代などにあてたとして詐欺などの疑いで告発されていた前大阪地検検事正が昨年11月、福岡高検の検事長に就任。同じころ「嫌疑なし」で不起訴処分になっている」

 上記の、現役の大阪高検公安部長の逮捕記事については、「暴力団関係者」という言葉以外はとてもわかりづらいし、「暴力団関係者を利用しようと計画し、職務上何も必要がないのに、大阪高検の公安事務課長に対し、職権を乱用して暴力団関係者の生年月日を伝えるなどして前科調書を取得する手続きを取らせ、交付させた疑い」というのもよくわからない。いったい何が犯罪なのかよくわからない。…と思っていたら、下記のニュースが出てきた。

 果して、真相はどうなのだろう?

 普通に考えれば、「検察庁の裏金づくり」を内部告発しようとした「大阪高検公安部長」が罠にハメられたということになる。これは恐ろしいことだ。これのバリエーションとして、「大阪高検公安部長」の犯罪は事実だが、やっぱり内部告発しようとしていたためにハメられたという可能性もある。あるいは、罪を犯した「大阪高検公安部長」が言い逃れのためだけに「検察庁の裏金づくり」の内部告発を口にし出したという可能性もないことはない。あとは、罪がバレそうになった「大阪高検公安部長」が、「検察庁の裏金づくり」の内部告発で自らの逮捕を免れようとしたのか?…とにかくわかりづらい。

 最近、永田町で始まった「泥仕合」はこんなところにまで影響しているのか?そう考えると恐ろしい。

 さて、他の大新聞系はどう書いているのかというと…?

■大阪高検公安部長を逮捕、税軽減証明書詐取の疑い(Yomiuri On-Line)

 現在のところ、Yomiuri On-Lineは、記事タイトル以外の疑惑をとくに書いていない。

■大阪高検:公安部長を詐欺容疑などで逮捕 暴力団関係の2人も(Mainichi Interactive)

「三井容疑者は72年4月に任官し、高松地検の検事に。その後、京都、長崎、神戸などの検事を務め、99年7月から大阪高検公安部長。検察が調査活動費を飲食費などに流用していると一部週刊誌で報道された問題で、検察内部で情報源ではないかとのうわさが出ていた」

 一方、Mainichi Interactiveは、記事タイトルについて詳しく紹介したあとで、この「大阪高検公安部長」が過去に「検察庁の裏金づくり」についてリーク情報を流した人物らしいという情報を追加している。

■大阪高検公安部長を逮捕(産経新聞)

 産経新聞は記事タイトル以外の疑惑をとくに紹介せず。

 さて、真相は…?